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ドラマ「天皇の料理番」を観たの巻(ネタバレあり)

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今日オススメしたいドラマは「天皇の料理番」です。ざっくり紹介していくよ!

 

直木賞作家・杉森久英の「天皇の料理番」が原作。片田舎でダメ人間呼ばわりされていた青年が天皇の料理番を勤め上げるまでに成長する、史実に基づいた人間愛の物語と紹介されているドラマです。全12話でかなり見応えがあり、時間のある時に一気見したい作品です。

 このドラマで伝えたいことを以下のワードにまとめたので、項目ごとに紹介していくよ!

 

得意なことを活かす仕事

秋山篤蔵(佐藤健)は子供の頃から何をやっても中途半端で、途中で投げ出しては、物事を続けられないダメな人間と村中で噂された「いわくつき」の青年でした。そんな篤蔵も昆布問屋に婿入りすることになり、問屋の若旦那として働き始めました。そんなある日、昆布問屋の納入先の連隊(軍隊)で洋食に出会い、一気にのめりこみました。仕事をさぼって連隊に通い、洋食や料理の基本を学ぶことになります。

今までも他のことにのめり込むことはありましたが、その時も途中で投げ出してきました。ただ今回は要素が違うようで、本気で取り組み続けることになります。他人が見てもつまらないことをしていると思っても、本人は目を輝かせて一生懸命に取り組むわけです。まさに得意なこと、好きなことと出会った瞬間だと感じさせます。

ただし婿という立場や収入がなく一本立ちしていない状態、実家からは夜逃げしたという厳しい叱責や勘当同然の扱いなど、目の前には計り知れない試練があります。それとどう向き合い乗り越えていくかという点が最初の見どころだと思います。 

師匠と人間の成長

東京で弁護士の勉強をしている兄の助けを借りて、篤蔵は一流の洋食レストランで見習いの身分で働き始めた。そのお店の料理長はは厳しい方で、篤蔵の手抜き仕事を見抜いたときに、手洗いや調理道具をきちんと洗うことや、爪を短く切ることなど誰にでもできることをやりなさい。それがまごころであると諭したのです。このような料理長の考え方に心を打たれた篤蔵は、より一層料理に打ち込むことにしたのです。
この料理長との出会いが篤蔵の人生に影響を与えることになります。また厳しい指摘をされた時に今までは投げ出していましたが、今回は素直に反省し、人間として成長していくことになります。

海外修行

妻子を養うために掛け持ちで料理人をしていたことがばれて勤めていたレストランを追われたり、さらに慕っていた兄が結核で倒れたり、大変なことが続いて流れ着いた先のレストランで働くことになります。その後、フランス料理の本場パリへ渡航し、パリのレストランで働くことになります。明治時代の日本はようやく国際社会にかろうじて知られるようになったくらいの存在で、黄色人種でサルというひどい差別を受けましたが、そこは実力主義の海外。みるみるうちに実力を認められ、仕事は順調にゆきます。最終的にはパリで最も権威のあるレストランでスーシェフを務めることになり、海外修行は大成功を収めることになりました。

兄との約束とザリガニ料理

パリで明治天皇崩御を聞いた篤蔵のもとに、「天皇の料理番」の陽性が来ていることを知る。師匠のような存在の料理長が推薦していたのだ。料理人になるために東京に出てきたばかりのころは、料理人としてのトップになることを夢見ていたが、実際に料理人のトップと言えるような「天皇の料理番」になることになった。
篤蔵の最初の仕事は大正天皇御即位の御大礼で、外国の賓客をもてなす料理を振舞うことであった。そこで振る舞われた料理が海外では当たり前に食すザリガニである。皇室に愛されたこのザリガニ料理を再現したものが中善寺金谷ホテルのコースメニューにあるそうです。

ちなみに余談ですが、中善寺金谷ホテル都道府県魅力度ランキング2020で最下位に沈んだの栃木県にありますが、実は皇室が食したザリガニが存在しており、魅力的なグルメで最下位脱出するかもしれません。

www.kanayahotel.co.jp

話は戻って、大正天皇御即位の御大礼は滞りなく終わり、病床の兄にその旨を手紙で告げます。兄の願いは病で思うように動けない自分に代わり、弟(篤蔵)に日本一の料理人になってほしいというものでしたが、その願いがまさに実現したのです。

兄や師匠である料理長に助けられてここまで来られた篤蔵は、1つの節目を迎えることになりました。

関東大震災と料理人としての誇り

篤蔵と奥さんは2人の子供に恵まれます。この時代、料理人と言えばろくでもない人間がなるものだと世間では認識されており、長男はそのことに引け目を感じていたようです。天皇の料理番と言えば、長男の悩みは一瞬で解決される話のはずですが、篤蔵や奥さんはそのことを子供に伝えません。そんな中、関東大震災が発生するのです。皇居で働く篤蔵は被災者のために公開された皇居で炊き出しを行うのですが、その様子を目の当たりにした長男へ、篤蔵は料理人として大事なこと、人として大事なことを教えるのです。ここは感動的な場面で涙なしではいられないはずです。

敗戦と素直

大正時代が幕を閉じ、時代は昭和へと移り、その後篤蔵は妻を失うことになります。妻が篤蔵のことを心配して残した言葉は、「癇癪持ちだからいざという時にはこの鈴をきいて私の言っていたことを思い出してほしい」というものでした。最近アンガーマネジメントという言葉がありますが、妻はそのことを言っていたようです。
そして敗戦。占領下でGHQのために料理人として奉仕することになりますが、正に妻が心配していたことが起こります。その時篤蔵がとった行動を見るにつけ、謙虚で素直な人は成功するのだなと感じさせるものでした。

このドラマが教えてくれること

人は自分の得意なことや好きなことを一生懸命に取り組み、人の教えを素直に聞き、謙虚になればひとかどの人物になれることを教えてくれるドラマです。佐藤健演じる天皇の料理番はお堅い人物ではなく、欠点もある人間味のある人物なのでリラックスして楽しめます。

 このドラマを観るなら

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