【カンブリア宮殿】大阪王将 文野直樹会長
今日は大阪王将を展開するイートアンドの文野直樹会長を取り上げたカンブリア宮殿の内容をまとめていきます。
大阪王将ってパクリ?
大阪王将という黄色ののれんのお店を見たことがある人も多いと思いますが、餃子の王将と似てるし、もしかしてパクリなのかな?と思ったこともありましたが、実は50年ほど前にのれん分けされてできたお店だそうです。
文野氏の父親の代でのれん分けされ、のれん分けされたお店だから自由な発想で外食事業を展開できないことが嫌で、独自にレストランを経営していたこともあったという。その後、大阪王将の社長になり外食チェーンのみならず、冷凍食品事業にも参入し、冷凍食品ではマーケットの3分の1のシェアを占めるまでに成長している。
町中華という戦略
大阪王将は前述したとおり、文野氏の父親の代でのれん分けされた経緯があるため、餃子の王将の呪縛のようなものを文野氏は感じていたという。大阪王将の社長になってからモスバーガーのフランチャイズ加盟店になったり、ラーメン店を展開して成功したり。ラーメン店はその後、流行が終了し失敗することになった。そんな時、町中にあるいわゆる町の中華料理屋さんで家族連れが楽しそうに外食している様子を見て、こんな町の中華料理屋さんのようになろうと考えたようだ。あまりピンとこないエピソードではある。
それによって、店内は昭和時代を想起させるものになっているし、お店の看板もモダンな洒落たものをあえて採用していないという。敷居が低く、家族連れがいつでも食事を楽しめる日常食を提供しようという考えだ。
冷凍食品はイノベーションが起こせる
冷凍食品は2001年から販売を開始しているが、2009年に関西に工場のラインを作り、自社で量産体制をとった。現在では3分の1のシェアを握り、水餃子ではトップシェアとなっている。
冷凍餃子は、油なし・水なし・蓋なし・羽根つきの餃子を簡単に作ることができるのが売りだ。世間では新しいテクノロジーを使ったサービスやプロダクト云々という話はあふれているが、テクノロジーはなにもITに限った話ではない。食品の世界でも今まではできなかったことが簡単にできるようになる技術、これがテクノロジーであり、イノベーションが起こせるということにもつながる。
他の例でいうと、洗濯洗剤で詰め替えやすくなっていることに気付いている人も多いかもしれないが、これも新しい材料やテクノロジーによってイノベーションを起こした例といえる。
こうしたイノベーションは外食でも起こすことができるが、自社商品として展開するというよりも、他社のサービスを利用させてもらう要素が大きいのに対して、冷凍食品製造の分野では、自社商品として新しいテクノロジーを発信できるのがいい点だと思う。
コーポレートアイデンティティ
現在では、タイ・台湾・シンガポール・ベトナム・ミャンマー・インドネシアなど東南アジアを中心に海外展開を図っているイートアンド社だが、企業価値を定めてからは「餃子の王将の呪縛」から解き放たれたという。「呪縛」とは餃子を中心にした中華をやらなければいけないのか、パクリだと思われないか、オリジナリティを出してはいけないのではないかというような経営者の葛藤であると想像するが、そうしたものから解放されたのが自らが定めた企業価値だ。
その企業価値が、いろんな食のシーンで豊かさや楽しさを提供ことである。日常的に食事するときに楽しさや豊かさを提供することだけを考え始めると、様々な発想ができるようになったという。
やはり会社を経営していくうえで、企業理念は大事なのだなと感じた。今日は薄口です。